おいしくてホッとする味噌。味噌は日本にしかない伝統的な発酵調味料です。
- 「味噌に定義はあるのかしら?」
- 「味噌の原材料はなんだろう?」
- 「味噌はどこからきたの?」
いつも食べている味噌なのに「灯台下暗し」で、あまり知らないという人も多いのではないでしょうか?
この記事は「味噌の歴史」や「味噌の特徴」がわかります。
今回は、「味噌の魅力」についてお伝えします。味噌に興味がおありのあなたや、味噌について知りたいあなたは、ぜひご覧ください。
味噌の定義は?できあがりは半固形状の発酵食品
味噌は古くから日本人が愛している調味料。現代でも日本人が大好きな調味料のひとつではないでしょうか。
これからカンタンに味噌の定義を見てみましょう。
味噌とはなにか?
味噌は、蒸したり、煮たりした原材料に、麹(こうじ)と塩を加えて発酵させた半固形状のものです。
豆麹や米麹、麦麹などが使われ、豆味噌や米味噌、麦味噌になります。そして、味噌のおもな原材料は 麹と塩、プラス大豆や米または麦。
使われる麹や麹の量・原材料・塩分量・熟成期間などは、地域や家庭で異なり、地域の味・家庭の味になります。
国が定める味噌の定義とは?品質表示基準が示すもの
味噌の定義は、内閣府が以下のように定めてしています。
○みその定義(第2条)
内閣府:みそ品質表示基準改正のポイント より
・大豆若しくは大豆及び、米、麦等の穀類を蒸煮したものに、米、麦等の穀類を蒸煮してこうじ菌を培養したものを加えたもの又は大豆を蒸煮してこうじ菌を培養したもの若しくはこれに米、麦等の穀類を蒸煮したものを加えたものに食塩を混合し、発酵・熟成させた半固体状のものをいいます。
→風味原料等を使用した「だし入りみそ」も、みその定義に含まれることを明確にします。
味噌を販売するときなど「みそ品質表示基準」があります。
【原材料別】味噌の特徴や味は大豆と塩と〇〇で決まる
おもな味噌の特徴や味は、大豆と塩と麹や種類で決まります。詳しくは、もっと複雑で水や原材料(豆・米・麦など)、熟成期間、環境も大事な要素です。
それでは、それぞれの味噌の特徴や作り方をかんたんに見てみましょう。
味噌の特徴と作り方 | |
---|---|
豆みそ | 蒸したり煮たりした大豆に「こうじ菌」を培養させ、塩を混ぜて発酵熟成させる |
米みそ | 蒸したり煮たりした大豆に、米にこうじ菌を培養させた「米こうじ」と塩を加えて発酵熟成させる |
麦みそ | 蒸したり煮たりした大豆に、大麦またははだか麦にこうじ菌を培養した「麦こうじ」と塩を加え発酵熟成させる |
調合みそ | 米みそや麦みそ、または豆みそをまぜたみそ。またはその他の原材料で作った味噌。 |
どの味噌も、大豆と塩と麹は必ず使われていますね。
【味噌のはじまり】由来は?歴史は長かった
およそ1300年前の飛鳥時代中期には、味噌の前身食品「未醤(みそ/みしょう)」について記されています。そして、平安京には未醤を販売する店があったようです。
しかし、いつどこで誰が作りはじめたのでしょうか?
いつどこで誰が作ったのか?
いつどこで誰が作ったのか?諸説ありますが、味噌の元となる食品は中国大陸から伝わってきたようです。
そして、食べて作り続けた結果、時代とともに進化し、日本特有の貴重な伝統食品になりました。
日本で味噌が重宝された理由は?
味噌が重宝された理由は、味噌の特徴にあります。さっそく見てみましょう。
味噌の特徴
- 美味しい
- 長期保存が可能
- 持ち運びに便利
- 調理しやすい
- 消化吸収を助ける
- 栄養が豊富で
- 香りが芳醇
- 旨味や栄養が増す
などが、味噌の特徴です。
大きな2つの利点は発酵させた点とペースト状の点があげられます。
発酵させたことで旨味や栄養効果が高いものになり、ペースト状であったことから戦時中でも持ち運びしやすく調理しやすい食料でした。
以上の利点から
- 戦国時代には軍用に味噌が作られた
- 宮中でも未醤があつかわれた
- 寺院で味噌や加工みそが作られた
- 庶民が保存できる味噌を作られた
など、さまざまなシーンで重宝されたのでしょう。また、宮中から庶民まで多くの日本人に愛されたからこそ現代まで受け継がれたのですね。
次は、海外にも存在する味噌を見てみましょう。
外国の味噌を紹介
大陸から伝わってきた説もあるので、どのような味噌があるのか気になります。
ここでは、海外の味噌や味噌に似た発酵調味料のほんの一部を紹介します。
- ● 韓国
-
テンジャン:伝統的な韓国の味噌で大豆と塩を混ぜて発酵
コチュジャン:もち米麹と唐辛子を混ぜて発酵
- ● 中国
-
豆板醤(トウバンジャン):中国の有名味噌・ソラマメと唐辛子が原材料
甜面醤(テンメンジャン):小麦粉を発酵させた味噌
いずれも美味しい発酵させた食品です。
次は、期待できる味噌の効果・効能について簡単にまとめました。
日本の味噌に期待したい効果や効能
古くから、味噌は健康によいと伝えられています。
「味噌は医者いらず」というコトバ
「味噌は医者いらず」というコトバがあります。
意味は、味噌を食べて健康なので、“ 医者にいかなくてよい ”という意味で使われていました。
研究機関や検査データなどない時代から効果・効能が伝えられています。昔の人たちは食べ続けて、体で実感していたのでしょうか。
次に「医者」つながりで、現代の医師や専門家の研究や知識を教えてもらいましょう!
味噌の三大栄養素の割合は?タンパク質と糖質が気になる
日本醸造協会誌では、三大栄養素の割合が書かれていました。
味噌の主な成分は脂質2~7%,蛋白質10~17%,糖質14~31%,食塩5~10%である
引用元:味噌の栄養, 日本醸造協会誌
とくに、糖分など食事制限のある方は参考にしたい項目ですが、原材料によって糖質の差はあります。
栄養成分はどんなものがある?
先にお伝えしたように原材料によって値が変わりますが、
栄養成分
- タンパク質 / アミノ酸
- 食物繊維
- イソフラボン
- レシチン
- サポニン
- ビタミン
- ミネラル
- メラノイジン
など。
などが含まれていて、発酵する過程で増える成分もあります。
味噌の栄養成分にはどんな作用があるの?
味噌に期待される作用の紹介です。
期待される作用 | 有効成分 | 栄養成分と期待される詳しい内容 |
---|---|---|
抗酸化作用 | ・リノール酸 ・サポニン ・イソフラボン など | 酸化を防ぎ、老化予防やがん予防など期待。 |
コレステロール値を下げる作用 | ・レシチン ・サポニン ・リノール酸 ・食物繊維 など | 動脈硬化や高血圧を防ぐ可能性。 |
血糖値上昇を抑える作用 | ・メラノイジン ・食物繊維 など | 糖尿病や血糖値の急上昇を防ぐ可能性。 |
女性ホルモンに似た作用 | 大豆イソフラボン | 更年期症状緩和や骨粗しょう症を防ぐ可能性。 |
抗酸化力は体を錆びさせない作用があって、シミやシワを防ぐ可能性があります。女性ホルモンのような作用があるイソフラボンは、アンチエイジング効果も期待されています。
健康効果が期待できると研究がさかん!
味噌に含まれる成分から「さまざまな健康効果の可能性がある」と、現代では研究がさかんです。
- 美肌効果
- 老化防止
- 整腸作用
- ガン予防の可能性
- 血中コレステロール値の上昇を抑える作用
- など
参考元:『お味噌の効果』渡邊敦光氏ら, 2010年11月発行,日本醸造協会誌,第105巻 第11号,714-723項, 日本醸造協会
医師や専門家の味噌研究で、さまざまな効果・効能が明らかになってきました。これからも新しい事実がわかっていくでしょう。
まとめ
味噌の世界は、知れば知るほど奥が深いですね。
味噌とは、
- 半固形状の発酵食品
- 麹と塩、大豆、米、麦などが主原料
- 古くから伝承されてきた
- はじまりは定かではない
- 海外にも麹と塩を発酵させた調味料がある
- 期待される効果・効能がある
あらためて、味噌の魅力を感じます。
栄養たっぷりで美味しい味噌!これからも作って食べて伝承していきたいものです。